みなさん、客先常駐は知っていますか?
この記事を見ている方は、客先常駐について何か思っていることがあるのではないでしょうか?
私は客先常駐(SES)の会社に6年間在籍していました。
経験者である私が語るからこそ、意味のある記事が作れると思っています。
みなさんの疑問を解決します!
客先常駐を選んではいけない理由については、こちらの記事にしています。ご参考にどうぞ。
客先常駐(SES)について
客先常駐(SES)と記載していますが、本来は、「SES」は契約の種別、「客先常駐」は作業環境の事なので根本的に違うものです。
客先常駐とは、自分が所属する企業ではなく、別の企業に常駐して働く勤務形態のことです。特にシステム開発や組み込み開発に携わるエンジニアが常駐するケースが多く、IT業界ではよく「SES (システムエンジニアリングサービス) 」という言葉が使われます。
ほとんどのSES契約は客先常駐でおこなれるため、ここでは、客先常駐(SES)としています。
一般派遣との違い
特定派遣と一般派遣の簡単な見分け方のポイントは派遣会社との雇用形態です。 特定派遣は派遣元と常用雇用契約を結んで正社員などになったあとで、労働力を必要としている派遣先に派遣されていく形です。それに対して、一般派遣の場合は、 派遣会社に労働者として登録したあとで、その技術力や条件に見合った仕事を見つけ、派遣先との条件が合ったときには派遣契約を結ぶという形です。
また、特定派遣は専門性の高い一部の業種に限られているのに対して、一般派遣はありとあらゆる業種に対応しています。特定派遣は誰にでもできる仕事内容ではないという点で、 一般派遣よりも条件がよく雇用も安定しています。
客先常駐(SES)とは?
自社ではなくエンジニアを必要としている顧客の現場に常駐してシステム開発等を行う働き方のことを指します。
自社の立場として、ハード(インフラ)の構築とアプリ開発で連携が必要な工程が増えたため、設備を導入するコストが大幅に増加しました。また、顧客の立場としても、セキュリティー上、業務の持ち出しを禁止したいはずです。
結果として顧客のオフィスに常駐しての作業が大半ということになり、客先常駐という働き方が定着していくことになりました。
客先常駐(SES)のメリット
客先常駐(SES)の雇用業態はよくわかりました。それでは、客先常駐(SES)のメリットは何でしょうか?客先常駐(SES)にもメリットはありますので、1つずつ見ていきましょう。
未経験で採用されやすい
IT業界の中でも未経験者が採用されやすい職種である点です。特に、単価が安い20代~30代の若手エンジニアが客先常駐(SES)としての需要が高いと言えます。
客先常駐(SES)企業は、人手不足の傾向にあります。入社難易度は低く未経験からでも入社することが可能です。
大手企業で働くことができる
自社のレベルは低くても、常駐先が大企業とうケースは多々あり、セキュリティがしっかりした綺麗なオフィスで仕事をすることができます。
社食もあったり、オフィス内にコーヒーメーカーがあったりと、職場自体の環境は整っているので、そこの部分だけにフォーカスすれば満足できるかと思います。
また、大手企業が導入している最新ツールやモダンな開発手法に触れることもできます。最新ツールの使用経験が積めたり、開発手法を会得したりとメリットを享受することができます。
いろいろな会社を経験できる
客先常駐(SES)の契約期間は、およそ3ヶ月~3年と言われています。一般的なプロジェクトは2年で完了することができるためです。そのため、派遣先(顧客)が変わることはたびたびあります。
何もわからない状態から、仕事を1から教えてくれたり、定期的な勉強会を開催してくれる企業もありますので、さまざまな開発を実際に経験することができます。
責任が少ない
顧客企業には、納期と納品物が決まっており、それに対して責任を負っています。コレに対して、客先常駐(SES)企業が責任を負うことはありませんし、客先常駐(SES)社員が負い目を感じることもありません。
客先常駐(SES)は、働いた時間(単価)に対して支払われるため、無断欠勤などのよほどのことをしない限りは、マイナスになることはありません。
また、契約上、契約以外の仕事をすることもありません。例えば、社内プロジェクトや社内改善活動などのサブタスクに任命されることはありません。
客先常駐(SES)のデメリット
客先常駐(SES)にもメリットを見てきましたが、ここまで見ると、意外に良さそうだなと思われたのではないでしょうか?しかし、デメリットについて述べていきたいと思います。正直、デメリットのほうが圧倒的に多いですし、記事を書くのも簡単でした。
スキルアップが難しい
客先常駐(SES)は顧客の正社員と比較して、任される仕事の責任が低い仕事や、あまり重要ではない仕事ばかりが回されることになります。
そのため、経験がなかなか積めないという問題が発生します。
特に新卒など未経験で入社した場合は、高度なスキルを要しない現場に派遣されることも多いようです。プログラミングなどの開発に関わるスキルを積めないまま、仕事をする状態が続いてしまうかもしれません。
単純作業が多い
客先常駐(SES)が単純作業ばかりでスキルが身につかないというのはもはやIT派遣業界では常識です。人手不足という場合もありますが、価値の低い作業を顧客の正社員にさせたくないからです。
例えば、エクセルにただコピーする作業、テスト結果をまとめるだけの作業などです。誰かがやらなければなりませんが、誰もやりたくはありません。そこで、客先常駐(SES)社員に作業が振られることはよくあります。そして、この作業を断ることはできないため、次回以降も同じ作業が任されることになり、負の連鎖が始まります。
給料が上がりにくい
顧客企業からすると、「エンジニアを増やす」ということは「費用が発生する」ということです。エンジニアを増やすということは、機械を増設することと同義です。顧客企業としては、最初に契約した単価から増やす気はないのです。
そもそも単純作業だけしていて給料が上がるわけがないのです。エンジニアの単価は技術力で決まりますので、ただ年齢が増えていったから給料を上げるなんてことはありえません。
また、自社としても、社員の単価が上がらなければ給料を上げることは難しく、あげたくても上げれない状況と言えます。
また、単価が上がっても、それを社員に適切に分配しない、もしくは、教えることもない、なんていうことはザラにあります。
疎外感
客先常駐(SES)社員は、毎日の業務を他社で行うことになります。顔を合わせて名前を覚えても、そこはいつも社外の人だ。疎外感は否めません。顧客から見ると、見えないけれど、しかし確実に、自社社員と客先常駐(SES)社員の壁は存在します。
また、客先常駐(SES)社員は多くの場合で1人です。自分の周りには、顧客社員か、または別の客先常駐(SES)社員しかいません。自分の上司と話すこともできませんし、自分を評価してくれる人もいません。顧客がしているのは、単価に見合った仕事をしているかのチェックであり、評価ではありません。
35歳以降は厳しい
スキルアップや単純作業が多いと述べましたが、若いうちはまだそれでもいいかもしれません。一般的に30歳前後から、部下を持ったり、一人前として扱われたりします。しかし、客先常駐(SES)企業では、部下を持つことはありません。あったとしても、形だけです。
客先常駐(SES)企業においては、社長・幹部・平社員の3段構成で十分であると言えます。なぜならば、客先常駐(SES)されている社員(平社員)というのは、一人一人に契約がされているものだからです。いろいろな企業と契約するため、誰かの部下にしたり、誰かが上司になったり、なんていうのは無駄なんです。
客先常駐(SES)の見分け方
メリット・デメリットはよくわかりました。できることなら客先常駐企業に入社したくはありません。しかし、客先常駐(SES)企業に入社してしまう人が後を絶ちません。客先常駐(SES)企業に入ってから、後悔するケースがほとんどです。では、どうしたら、客先常駐(SES)企業を見分けることができるのでしょうか。
勤務時間と勤務先を要チェック
客先常駐(SES)企業の見分け方として、勤務時間と勤務先をチェックする方法があります。先に述べたように、客先常駐(SES)企業は、勤務先は自社ではありません。また、勤務時間は、客先に依存します。
勤務地:~市、~市
となっていればアウトです。自社開発会社ではありえません。明確に「自社の住所 または 建物」が記載されるはずです。こんなアバウトな書き方は客先常駐(SES)企業です。
勤務時間:常駐先に規定に従う
となっていればアウトです。「常駐先」という言葉はSESしか使いません。
他にも、アバウトな書き方は大体がアウトです。
面接回数が少ない
これもSES企業の特徴です。どちらかといえば、ブラック企業の特徴ですが。
SES企業は深刻な人手不足で未経験でも入りやすい、と述べました。これは裏を返せば、誰でもいいということになります。面接に来てくれた人は、よほどのことがない限りは、内定をもらうことできます。SES企業では退職率も非常に高いため、少し多めに社員を確保しておく必要があるからです。面接回数が少なかったら要注意です。
平均年齢が低い
SES企業では35歳以降の社員は、契約が決まらずに、退職することが多いようです。特に40代後半は壊滅的です。そのため、会社の平均年齢は低くなる傾向があります。目安として、平均年齢33歳未満の場合は注意が必要です。
自社開発製品がない
客先派遣企業では、自社開発製品の紹介ページがありません。
面接で聞いてみるといいかもしれません。自社開発製品がなければ、どのように社員を食わせていっているのでしょうか。自社開発製品やサービスがない場合は、客先常駐(SES)企業とほぼ確定して間違いありません。
ホームページがスカスカ
客先派遣企業の見分け方として、ホームページの情報充実度があります。特に、新しい客先派遣企業は、ホームページの中身がスカスカです。しかし、労働者を雇いたい気持ちはありますので、募集ページはかなり気合いが入っているようです。そもそも、自社開発製品やサービスがないのですから、ホームページに記載することなんてありませんよね。
客先常駐(SES)に不満があるなら
客先常駐(SES)企業に現在お勤めの方で、不満がある方は行動を起こしたほうがいいです。現在の状況は、3年後も、5年後も変わりません。あなた自身を変えるのは難しいですが、会社を変えるのは簡単です。
自社の将来を見極める
自社の将来性について考えてみることをオススメします。自社が成長しており、自社製品開発の可能性があるならば、少し思いとどまってみてもいいかもしれません。また、聞きづらいですが、自分の先輩や上司に年収や役職について聞いてみるのもいいかもしれません。
派遣先に引き抜かれる
可能性としては0ではありませんが、派遣先に引き抜かれるぐらい頑張るというのも1つの手段と言えます。派遣先がとても居心地のよい環境であり、派遣先の上司に気に入られている場合は、お声がかかるかもしれません。
ただし、大手企業ほど、あからさまな引き抜きはしてきません。引き抜かれたと知られた場合、他の契約もなしにされるかもしれないからです。派遣先にとって、客先常駐(SES)はなくてはならない存在です。1人の社員のために、そこまで大きな決断ができるでしょうか。
客先常駐企業を避けるために、転職エージェントを活用すべき
客先常駐企業に転職したくない場合は、転職エージェントの活用は必須です。
転職エージェントに登録されている企業は、明らかにやばい客先常駐企業が少ないです。
転職エージェントは、転職させた方が半年~1年以内に辞職してしまった場合に、報酬が少なるシステムがあるからです。
そのため、エージェントの方も、なるべくやばい客先常駐企業を排除していっている傾向があります。
実際に転職エージェントを利用した経験談の記事はこちらです。
>>【体験談】実際にリクルートエージェントを使った感想【転職してみた】
おすすめの転職エージェント
退職が難しいようであれば、第三者の力を借りることもありです。
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私は、今のところ転職する予定はないですが、転職サイト「リクナビNEXT」にも登録しています。
転職がいつでもできるように準備しておくことも大切です。
また、仕事しながら転職する場合は、転職エージェントを使ったほうが効率的です。
最後に、オススメの転職エージェントを紹介しておきます。
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最後に
客先常駐(SES)がツラいという言葉はよく耳にします。
しかし、メリット・デメリットを考えれば、ツラくて当然です。
今を変えない限り、何年後かに大きな負債を背負うことになります。
また、客先常駐(SES)企業に入社しないように気をつけることも大切です。
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